http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20091128-OYT8T01217.htm
横手市、仙北市、小坂町が10月、中核市以外の県内市町村では初めて、景観法に基づく「景観行政団体」に指定された。県内でも景観を守る自治体の取り組みがようやく本格化してきた。良好な景観を維持することは、住民の地域への愛着につながり、観光など地域活性化にも役立つ。住民と自治体の協力関係も、良好な景観づくりのカギになりそうだ。(伊藤徹也、田中雅之、糸井裕哉)
地方自治体が景観行政団体に指定されると、2005年に全面施行された景観法に基づき、良好な街並みや自然を保つため、独自の計画「景観計画」を作ることができる。
景観計画を作って条例改正などを行えば、建物の高さやデザイン、色彩などを規制することができる。基準から外れたデザインなどに変更命令を出せ、罰則を科すことも可能だ。
景観の規制以外にも、国の補助金を得て、景観上重要な建物や樹木の買い取り、修繕などを行うことができる。景観行政団体は1日現在、421ある。
しかし、県内自治体の景観行政への取り組みは積極的だったとは言い難い。都道府県と政令市、中核市は自動的に景観行政団体になる。県と中核市の秋田市が該当するが、県の景観計画は未策定。秋田市は今月、景観計画に基づく改正条例施行にこぎつけた。
中核市以外の市町村も県の同意があれば、景観行政団体になることができる。今回ようやく3自治体が手を挙げたが、中核市以外の市町村が指定されていないのは全国で本県のみだった。しかも、県によると、景観に関する条例を自主的に制定している県内の自治体は、県、秋田市、横手市、仙北市にとどまっている。
景観行政がなかなか進まないのは、景観の評価は主観的な部分も少なくなく、住民や事業者の幅広い合意を得られる客観的な基準作りが難しいからだ。
やはり最後は住民の意識の高さが重要になる。県は今年1月まで、県民から、自分たちが自慢したい景観を「自然」「農山漁村」「歴史・文化」「街並み」「都市」の5つのテーマ別に募集。「秋田え~どご100」にまとめた。
今年は「景観キャラバン隊」と称して、県内8か所で、住民との意見交換会を開いた。地域のリーダーとして景観づくりを引っ張ってくれる県民を少しでも増やしたいためだ。
県は市町村の首長に対し、景観行政団体の指定を働きかけている。意欲を示している自治体もあるという。
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今回景観行政団体に指定された仙北市と小坂町。住民が主体となった良好な街づくりの積み重ねがあった。
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武家屋敷の町並みが残る仙北市角館町。武家屋敷群に続く角館町横町の通り沿いを歩くと、黒い板塀のある家や、昔ながらの白漆喰(しっくい)風の商店が立ち並んでいることに気付く。2004年、一部の住民同士が協定を結び、外観を落ち着いた色合いにしたり、派手な看板を取り外したりする取り組みを行ったためだ。
「横町東部の景観を考える会」会長の佐藤謙一さん(76)は当時、商店の看板を取り外して、木の板を看板代わりにした。「ここは武家屋敷の入り口。観光客の人たちに恥ずかしくないような景観にしたかった」と振り返る。
市は10年度にも景観計画の策定に着手し、その2~3年後には計画をとりまとめたい考えだ。市は「景観に配慮するという考え方が市全体に広まることを期待したい」と話している。
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国重要文化財の康楽館や小坂鉱山事務所などが立ち並ぶ小坂町の「明治百年通り」。通りの景観美化を目指し、04年3月に設立された「フラワーボランティアの会」の工藤保会長(78)は「行政を引っ張るつもりで、どんどん景観整備の方法を提案していく」と、今回の指定を歓迎する。同会の会員は現在約120人。これまで、6000株以上のクリスマスローズの植栽などを町と協力しながら行ってきた。
小坂町は、観光客を誘致するため、「鉱山の街」として栄えた明治期の街並みを再現。約20年前から景観整備を進めている。
町は、今回の指定で得られる国の補助金を活用し、早ければ11年度にも、昨年廃線になった「小坂鉄道」の駅舎を活用した「鉄道テーマパーク」を建設する構想を練っている。(写真あり)