無粋…室外機どうする 高岡の景観 市民の宝 覆い隠しに市は前向き (2007/02/10) 中日新聞
(記事抹消)http://www.chunichi.co.jp/00/tym/20070210/lcl_____tym_____001.shtml
世界文化遺産の登録を目指す高岡市で、歴史や文化に配慮した都市景観づくりが市政課題として急浮上してきた。市内には各地に古い町並みが残るが、通りに面して冷暖房機の無粋な室外機がさらされ、美観を台無しにしているのが現状。市は昨年七月、景観施策を独自で定められる景観行政団体になっており、具体化が急がれる。 (榎本真也)
高岡市には市全域を対象とした景観条例はないが、一部地区を対象とする「高岡市町並み保存・都市景観形成に関する条例」を制定している。
同条例に基づき、二〇〇〇年三月には本丸町の一部「池の端通り」の約三万九千平方メートルを「高岡古城公園の自然と調和した和風屋根の連なる風情漂う落ち着いた町並み」として都市景観形成地区に指定した。地区には百戸近い住宅が含まれている。
この指定で、池の端地区では室外機などの建築設備を建物内に取り込んだり、覆いをしたりして見栄えに十分配慮するなどの基準が定められた。
基準に従うかどうかは任意だが、景観を阻害する設備を隠したり、取り外したりする経費について、市は最高で半額を補助する。〇六年までに、室外機を覆い隠した八件に補助金を交付している。
市都市計画課は「整備は任意なので地区住民に共通認識がないと進まない。池の端はいい雰囲気にはなったが、それでも五年ぐらいかかった」と打ち明ける。
景観行政団体になった市は今後、千本格子の家並みで知られる金屋町や八丁道などで景観整備を検討している。〇七-〇八年度には景観計画を定め、地区住民と協議の上、〇九年度には具体的な整備を始めたい方針。景観行政団体の強い規制力も手法の一つと考えながら、特に美観の敵である室外機の覆い隠しや除去について、前向きに進めたい考えでいる。
一朝一夕にはいかない景観行政の難しさは織り込み済み。都市景観づくりへの市民意識の高まりと、合意形成への行政努力が成否を分けそうだ。
率先垂範、古い町並み守る
福岡の上杉さん
都市景観づくりに率先して取り組んでいる市民もいる。
福岡町福岡の旧北陸道沿いに残る古い町並みに住む会社員上杉政憲さん(49)は昨年六月に自宅をリフォームする際、室外機に木製の覆いを付けた。「千本格子の雰囲気を壊したくなかった」のが理由だ。
上杉さん宅は一九三一(昭和六)年の福岡大火災の直後に建てられた。太さ四十五センチの三本の梁(はり)が家を貫く古い造り。以前から「古い町並みに室外機があるのに違和感があった」と話す。
上杉さんは、合併前の旧福岡町時代に景観を論議する町づくり委員会の委員を務め、先進地を視察。室外機やガスボンベを格子やよしずで隠してあるのを見て「自分の家もなんとかできるんじゃないか」と思ったという。
室外機を覆う格子は既製のガーデニング用の木製カバーを買って自ら取り付けた。費用は一万二千円ほどで済んだ。
景観を守る意義として上杉さんは「若い人に地元で定住してもらうには、住みたいと思う町並みにすることが大切。(室外機に気を配る動きが)ほかの町並みへも広がっていけばいい」。花を玄関先に飾るだけでもいい。市民一人一人がすぐにできる景観づくりもある。
◇景観行政団体◇ 景観法に基づく景観行政を実施する行政機構。都道府県や政令指定都市、中核市がその役割を担う。高岡市などそれ以外の地方都市は知事の同意が必要。景観行政団体になると、景観計画を定め、景観計画区域を設定することができ、建築物や屋外広告物について強制力のある規制や条例制定ができる。(写真あり)
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