(記事抹消)http://www.kahoku.co.jp/news/2008/11/20081127t11041.htm
仙台市は10月に発表した街並みづくりの指針「杜の都景観計画案」で、市中心部の建築物に高さの数値基準を初めて示した。15日から各区で市民説明会を開いたが、建築関係者の関心は高さなどの規制項目に集中した。市は「高さ基準は景観づくりの手段で、そればかり注目されるのは趣旨とずれる」と困惑気味だ。(報道部・門田一徳)
<重点に4区域>
高さ基準を設けた範囲は、景観重点区域と位置付けた旧城下町地域(約2200ヘクタール)。上限とした80メートルは、仙台城跡(標高120メートル)から標高40メートル前後の市街地を見渡し、遠望が遮られない高さとして決まった。
景観重点区域は「広瀬川周辺」「青葉山・大年寺山」「北山・宮町界隈(かいわい)」「都心ビジネス」の4区域=図=。建築物の高さは、広瀬川周辺が30―50メートル、青葉山・大年寺山が30メートル、北山・宮町界隈が30―60メートル、都心ビジネスが30―80メートルとし、1割程度の誤差は容認する。
今後、80メートル以上の建築物が立地できるのは、基本的に都心ビジネス区域の仙台駅周辺の約170ヘクタールだけで、一定規模の緑化と空き地確保が条件となる。
仙台市はこれまで、容積率や北側敷地の日照などで高さを制限してきた。しかし、敷地面積が広ければ「高さが青天井になる」(市都市景観課)ことから、絶対的な規制にならなかった。そのため、広瀬川沿いや市中心部での高層マンションの乱立に歯止めをかけられなかった。
<広告物も規制>
高さ基準の設定が初めての取り組みということもあり、専門家らの関心は高い。石川清紀・仙台商工会議所不動産部会長は「数値を厳格化せず『おおむね』としたことで、行政との交渉の余地を残した」と評価し、新たな開発行為には大きな支障は出ないとみる。
住宅系地域の高さ基準を10階建てマンションに相当する約30メートルに設定した点について、市景観審議会の大村虔一会長は「『30メートルまでなら造っても大丈夫』と解釈され、マンションが次々に建ったら環境的に問題だ」と課題を指摘する。
17日に市シルバーセンター(青葉区)であった市民説明会では、規制の適用時期や審査の実施主体といった高さ基準への質問が相次いだ。
仙台市は計画案に、屋外広告物の規制や建物の壁面の色彩基準なども盛り込んだ。年度内に計画を固め、2009年夏にも景観条例を改正する考えだが「高さ基準の数値や規制ばかりに関心が集中するのは本意ではない」と、市民の反応との隔たりに頭を悩ませる。
市景観審議会委員の涌井史郎・桐蔭横浜大特任教授(造園学)は「景観計画案は仙台の歴史を生かし、今後の発展につなげるための道具。子どもや孫の世代にどのような街を残したいのか、自分たちの問題として考えてもらいたい」と呼び掛けている。(写真あり)