http://mainichi.jp/area/tochigi/wide/news/20091015ddlk09040079000c.html
◇魅力ある景観づくり目指し 調査を実施、洗い出し
那須連山、那須温泉を抱える“観光のまち”那須町は「景観も観光資源。魅力ある景観づくりを」と、景観を害する違反屋外広告物の本格的な撤去に乗り出した。今月末からは特別担当職員によるパトロール調査を実施して洗い出しを行い、対処していくという徹底ぶり。成果が期待される。【柴田光二】
那須町は05年12月、景観法に基づく「景観行政団体」となり、町独自で景観行政に取り組むことが可能となった。これに伴い、07年4月、「町景観条例」、昨年3月に「町景観計画」、10月に屋外広告物法に基づく「町屋外広告物条例」を施行した。その上、これらの条例を一体的に推進するための「町屋外広告物等適正化指針」を策定した。
町屋外広告物条例は「広告物が無秩序、無制限にはんらんすると町の美しい自然景観が損なわれる。看板の表示や設置についてのルールをつくり、必要な規制をすべきだ」として制定された。屋外広告物は、営利的な商業広告だけでなく、非営利的なものも含まれ、禁止広告物、禁止地域、看板の種類、色彩等を定めている。
観光客が集中する景観計画重点地区の那須街道沿線は、町の条例のほか、国が定める自然公園法、国・県による「ふるさと街道景観条例」も適用される。ところが、今年2月の調査では、沿道の広告物は1864件確認されたうち、許可されているものは35件しかなく、大半が町の条例に適合していなかったことが分かった。
町は条例や指針の周知・啓発に努める一方、現状を掌握した上で指導の徹底を図る。現状掌握では、6人の臨時職員を雇用、パトロールを実施し、違反広告物を洗い出す活動を展開する計画だ。
また、啓発では、10人のボランティアを動員し、町内の約1600事業所、県が許可する屋外広告物登録業者約700事業所を対象に周知を図るためのパンフレット等を配布する活動を実施。屋外広告物条例を知ってもらうための看板20基の設置も行う。
屋外違反広告物は、町の所有でも計126件あることが分かり、今年度内に撤去して町としての基本姿勢を示すことにしたという。その上で「豊かな自然景観を守り育てる」「貴重な歴史・文化景観を守り継承する」「豊かな自然景観と調和した都市景観をつくる」「町・町民・事業者とのパートナーシップにより景観をつくる」の四つの景観形成の目標を掲げ取り組む。
那須観光は、雄大な那須連山、温泉郷、しゃれたレストラン、レジャー施設等が対象で、昨年度の観光客の入り込み数は490万人。95年から5年間は500万人を突破したがその後は横ばい状態となっている。
「那須観光の何よりの魅力は美しい自然景観」といわれ、景観が誘客に与える影響は少なくない。それだけに、景観形成に対する関係者の期待は大きい。那須観光協会の岡崎良三会長は「訪れる観光客には自然景観を堪能してもらいたい。快く楽しんでいただくには景観形成の取り組みは重要」と話す。
町の積極姿勢は歓迎されるが、景観に関心を持つ町民からは「違反屋外広告物の撤去は一時的な対応では解決しない。それをどのようにして徹底していくかが、町の取り組みの課題だ」との指摘が聞かれた。