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県内初 3地区で高さや色規制
石川県七尾市の和倉温泉で、建物や広告物の大きさや色などを規制する景観協定の内容がまとまった。風情ある温泉街をつくろうと、住民主体で決めた。景観法や条例に基づいて、住民自ら景観を守る協定を定める温泉地は全国的に少なく、石川県によると、県内で初めてという。(福本英司)
この景観協定は、市の景観条例の範囲内で、建物や看板、緑化などの規制を、住民同士が結ぶ自主的なルールで、法的拘束力はない。三月末までに住民や旅館などの同意を得る方針。現在は住民の約20%の同意が得られているという。協定を後押ししてきた市に認可されれば、温泉街の新改築などは協定に基づいて行われる。
和倉温泉観光協会や旅館協同組合、商店連盟、町会連合会などの役員で構成する和倉地区景観協定運営委員会が策定した。統一感のなかった温泉街の景観をまとめ、にぎわい創出につなげようと、二〇〇八年から、協定内容を検討してきた。
協定では、温泉街を(1)中心地の「湯の香の杜(もり)」(2)旅館が並ぶ七尾湾沿いの「潮の香通り」(3)居住地域の「和み通り」の三エリアに分類。エリアごとに屋根や外壁の色、建物の高さ、風俗店舗の出店などに制限を設ける。
具体的には、湯の香の杜では建物の高さを十五メートル以下、和み通りでは高さを十三メートル以下(旅館はのぞく)に制限。潮の香通りは、明確な基準を設けないが、眺望を遮らない高さと定めた。観光客と交流できるよう、湯の香の杜の店舗と道路境界の距離を一メートル以内にする。屋根や外壁は、無彩色や茶系統の色にする規制もある。
協定は、土地と建物所有者の約四百二十人すべての同意を得る必要はなく、同意者のみの実施も可能。新改築には、委員会の審査、承認が必要となる。
一〇年に同様の景観協定を認可された大分県由布市の由布院温泉の湯の坪街道の運営委員会事務局の旅館従業員池辺秀樹さん(55)は「うやむやだった景観規制が明記され、分かりやすくなった。新しく外から出店する人に伝えやすい。住民の意識も高まり、景観保全に役立っている」と効果を語る。
和倉地区の運営委員長で、町会連合会長の本田雄志さん(67)は「行政主体ではなく、個人の資産に規制を掛けるのに大変な面はある。でも十年、二十年後の和倉温泉街の良さを残すため、みんなと協力して進めたい」と話している。(写真あり)