半田の「旧中埜半六邸」耐震改修 憩いの場に (2015/10/28) 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/aichi/news/20151027-OYTNT50174.html
歴史的に貴重な建物をまちのにぎわいづくりに生かそうと、120年以上前に建てられた半田市中村町の住宅「旧中埜(なかの)半六邸」で、地元のNPO法人が耐震改修に取り組んでいる。11月8日の新装オープンに向けて作業を進めており、メンバーは「憩いの場として気軽に訪れてほしい」と話している。(青山丈彦)
半六邸は江戸後期から明治初期に海運業や醸造業で財を築 いた中埜半六の住宅で、半田運河沿いにある。約3000平方メートルの敷地に木造2階の母屋と四つの蔵があり、総延べ床面積は約800平方メートル。江戸 末期に建てられ、1889年頃に改築された。90年に行われた陸軍の大演習の際に明治天皇の御典医が泊まり、第2次大戦後は、料亭として使ったり、大相撲 名古屋場所の宿舎として貸したりしたこともあったという。
市は2009年に半六邸を購入し、大半の建物を取り壊して広場 にする方針だったが、「貴重な建物を活用すべきだ」とする市民の要望で方針を転換。12年1月に設立されたNPO法人「半六コラボ」が同8月、市から無償 で母屋(延べ約500平方メートル)を譲り受けたうえで耐震改修を行い、管理運営することが決まった。改修費用約6000万円は、まちづくりを担う株式会 社「半田歴史まちづくり」と連携し、寄付や出資で賄うことにした。
改修工事は今年2月に始まった。1階に豆腐と湯葉のメニューなどを提供する飲食店が入居するほか、半六コラボが軽食を販売。2階はイベントなどの貸しスペースとして活用する。
寄付や出資はまだ不足しているといい、半六コラボの杉浦明巳理事長(55)は「昔の半田のまちや暮らしがわかる貴重な建物で、地元の宝。観光施設としてにぎわいづくりにつなげたい」と話している。
市は11月8日のオープンに先駆けて庭園を整備し、4月から土 日祝日限定で一般公開(無料)している。また、オープン初日には、午前9時からのオープニングイベントなど様々な行事が企画されている。問い合わせや寄付 の受け付けなどは半六コラボ(050・5848・1111、平日の午前9時~午後6時)。(写真あり)
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