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2016/12/27

「第二の京都」10カ所指定へ=3年間で景観を重点整備-国交省 (2016/12/26) 時事通信

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016122600356&g=eco

 国土交通省は、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、地方の観光地の景観を重点的に整備する方針だ。東京、大阪など都市部に集中する外国人観光客を地方に呼び込むのが狙い。全国10カ所をモデル地区に指定し、17年度から3年かけて街並みを刷新。「第二の京都」と呼ばれるような観光地へ発展させていきたい考えだ。
 22日に閣議決定した17年度政府予算案に、関連経費として25億円を計上した。
 モデル地区として想定しているのは、城下町や宿場町などの風情が残る市町村。歴史的な建物の保存や歩道の石畳化、展望台、駐車場の整備事業などを対象に、費用の最大2分の1を補助する。
 同省によると、景観に着目した大型の補助制度は初めて。17年度から3年間の総事業費は、地方負担分を含めて1カ所当たり16億円程度に上る見込みだ。
 来年1月から候補地の選定作業に着手し、3月中に10カ所を選ぶ予定。17年度予算成立後、速やかに手続きを進め、東京五輪に間に合うよう景観の整備を急ぐ考えだ。

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2016/12/26

片町きらら 景観大賞 県発表「活気演出、歩道と一体」 (2016/12/23) 中日新聞

http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20161223/CK2016122302000041.html?ref=rank

 美しい景色や心温まる風景を生み出した団体、個人を県がたたえる「いしかわ景観大賞」に、本年度は金沢市片町の「片町きらら」(事業者・片町A地区市街地再開発組合)が選出された。二十二日、県が発表した。後日、知事表彰の式典が実施される。

 県景観審議会計画部会で「大通りに対して段状の外壁面とし、ショップフロントを広げて活気ある景観を演出した」と評価された。イベントやバス待ちに利用できる大屋根の広場を設けて「歩道と一体の都市空間を創出」した点も受賞につながった。

 次点の景観賞は二件で、七尾市が中心市街地観光交流センターとして整備した「花嫁のれん館」と「寄合(よりあ)い処(どころ)みそぎ」による景観と、能美市浜町の小松精練が社屋改装に合わせて建設した布のような外観を持つ見学・体験施設「ファブリック・ラボラトリー“fa-bo”」が選ばれた。

 景観大賞は魅力あるまちづくりにつなげようと、一九九四年度から続けられており、今回は三十二件の応募があった。(写真あり)

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観世音寺が大賞と市長賞 /福岡 (2016/12/23) 毎日新聞

http://mainichi.jp/articles/20161223/ddl/k40/040/459000c

 太宰府市は22日、第3回だざいふ景観賞を発表した。観世音寺(石田琳彰住職)が大賞と市長賞をダブル受賞した。10点の応募があり、市民投票と市景観・市民遺産審議会委員の審査を総合して決めた。来年3月18日に授賞式がある。

     観世音寺は、古代大宰府の大寺として江戸時代には「宰府の名刹(めいさつ)」として知られ、今もその景観が保たれていることが評価された。また、檀家(だんか)がないため石田住職が私財を投じて金堂、講堂を修理、彫刻家の故冨永朝堂らが復興奉賛会をつくって宝蔵を建設(1959年)するなど多くの人が関わって景観が保たれているとして市長賞にも選ばれた。

     景観賞は太宰府天満宮参道にある小野筑紫堂お庭。参道沿いの建築物にあった中庭の風情を今に伝え、参道から見ることができる点も評価された。特別賞は、内山の赤れんが壁のある農村風景。かつてあった農村風景を残していることが選定理由。



ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20161223/ddl/k40/040/459000c#csidxa7dedf6179cc328a905555cb1c05798
Copyright 毎日新聞

 太宰府市は22日、第3回だざいふ景観賞を発表した。観世音寺(石田琳彰住職)が大賞と市長賞をダブル受賞した。10点の応募があり、市民投票と市景観・市民遺産審議会委員の審査を総合して決めた。来年3月18日に授賞式がある。

 観世音寺は、古代大宰府の大寺として江戸時代には「宰府の名刹(めいさつ)」として知られ、今もその景観が保たれていることが評価された。また、檀家(だんか)がないため石田住職が私財を投じて金堂、講堂を修理、彫刻家の故冨永朝堂らが復興奉賛会をつくって宝蔵を建設(1959年)するなど多くの人が関わって景観が保たれているとして市長賞にも選ばれた。

 景観賞は太宰府天満宮参道にある小野筑紫堂お庭。参道沿いの建築物にあった中庭の風情を今に伝え、参道から見ることができる点も評価された。特別賞は、内山の赤れんが壁のある農村風景。かつてあった農村風景を残していることが選定理由。

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2016/12/22

金銀山案内看板にグッドデザイン賞 佐渡相川 景観と調和し評価 (2016/12/21) 新潟日報

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20161221298051.html

 世界遺産登録を目指す佐渡金銀山の中心を成す相川地区に、佐渡市が今春設置した案内看板が島内で唯一、本年度の「グッドデザイン賞」を受けた。周囲の町並みと調和するデザインや、遺跡の位置を分かりやすく伝える図の表示などが評価された。

 グッドデザイン賞は日本デザイン振興会(東京)の主催。本年度は国内外の1229件が受賞した。うち本県からは23件が選ばれた。

 市では昨年度、鉱山町の町並みが良好に残されているとして、国の「重要文化的景観」に選定された相川地区の市街地に、案内看板を整備した。点在する遺跡を訪れやすくすることなどが目的だった。

 今回受賞したのは、観光施設「史跡佐渡金山」や京町通りといった主要地点にある8基の大型看板。高さ185センチのアルミ鋳物で、落ち着いた風合いが特徴だ。

 相川地区でふれあいガイドを務め、観光客らを案内する男性(72)は「地図も記されているので、どこにいるかが一目で分かる。デザインが斬新で関心を示す観光客も多い」と語る。

 デザインした東京都内のデザイン事務所代表、南雲勝志さん(60)=南魚沼市出身=は「地域の持っている雰囲気に、マイナスにならないようなデザインを第一に心掛けた。重厚感があり、相川の風景にもなじんでいると思う」と話す。

 市世界遺産推進課では「世界遺産登録を見据え、町並みに溶け込んで来訪者を誘導する案内看板を今後も整備していきたい」としている。(写真あり)

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2016/12/19

落書き防止や景観向上に「配電箱アート」 (2016/12/18) 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/20161218-OYT1T50011.html

 落書き防止や街の景観向上を図るため、東京・杉並区が今春高円寺駅周辺でトランスボックスにアートデザインを描いた試みが好評だったことから、区は新たに荻窪駅南口のトランスボックス10基をデザイン化する。

 既に区民らからのデザインなどの投票を締め切り、今年度末に完成させる予定だ。

 トランスボックスは、電線を地下に埋設する「無電柱化」の推進に伴って設置される、変圧器などが入った縦横1メートルほどの箱。荻窪駅周辺には約20基が設置されているが、落書き被害に遭うことも多いという。

 区は、夏の風物詩「東京高円寺阿波おどり」が今年の夏で60回目を迎えたのに合わせて、デザイン化を検討。区内外からアイデアを募集し、最優秀作品などに選ばれたデザインが高円寺駅周辺の30基に描かれた。

 この事業について、区が7~8月にアンケートを行ったところ、回答した区内外の約300人のうち約9割が「落書き防止に役立つ」「高円寺の魅力のPRにつながる」などと回答。「見て回りたい」「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで広めたい」とする人も4割を超えた。

 他自治体でも同様の取り組みをしており、新宿区では「歌舞伎町アートプロジェクト」として、2014年から歌舞伎町周辺のトランスボックス約30基をデザイン化。同区によると、ほとんどの箇所でスプレーなどによる落書きが見られたが、プロジェクト以降はほとんど落書きされることはなくなったという。

 杉並区では今回、区が提示した3種類のデザイン案の中から選択してもらう投票形式にした。その上で、近衛文麿の別邸で国史跡の「荻外荘(てきがいそう)」や大田黒公園といった荻窪の文化財など約20項目から三つを選んでもらい、投票の多い項目とデザイン案を組み合わせ、街をさらにPRできるものを作成する。

 区の担当者は「荻窪は誇れる歴史的・文化的資源が多いのにあまり知られていない。トランスボックスを活用し、街の魅力を発信したい」と話している。(写真あり)

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2016/12/15

高石市、立地適正化計画案で主要駅中心まちづくり推進 (2016/12/14) 日刊建産速報社

http://www.ken-san.com/article/view/4410

 高石市は、人口減少・少子高齢化のもと、安心できる健康で快適な生活環境の実現や、持続可能な都市経営を可能とすることが大きな課題とし、都市計画法を中心とした従来の土地利用の計画に加えて、立地適正化計画による居住機能や都市機能の誘導により、コンパクトシティに向けた取組みを推進するため、「立地適正化計画(案)」をとりまとめた。
 立地適正化計画の基本方針は、3つの主要駅(高石・羽衣・富木駅)を中心とした、歩いて暮らせるまちづくりの推進―とし、①地域の特性を踏まえた都市核の形成=周辺市町との連携・役割分担や、既存施設との整合を図り、3つの主要駅を中心とする地域の特性を踏まえた都市機能の誘導。中心的な都市機能の設定は、子育て世代や高齢者世代が魅力を感じる施設、両世代をはじめとする多世代間の交流ができるような施設を誘導▽駅を中心とした居住地域の維持=ハード・ソフト両面からの対策を図り、また地域の安全性に配慮して主要3駅を拠点とした利便性の高い住環境を維持▽健幸のまちを目指した、歩いて暮らせるまちづくり=コンパクトな市域という特性を活かし、生活サービス施設を徒歩圏に配置し、既存の公共交通網を維持することなどで歩いて暮らせるまちづくりを推進する。
 誘導施設は、居住者の共同の福祉や利便性の向上を図るために必要な施設であって、都市機能誘導区域ごとに立地を誘導する施設。今後重要となる機能や施設を検討しており、不足している施設を誘導施設として設定するのではなく、既存施設のリニューアルも含めて魅力ある施設を充実させていくことを目的として、「今後重要となる機能や施設」の全てを駅周辺に集約するよりも、「集約が望ましい施設」と「分散が望ましい施設(主に生活サービス施設)」に区分し、集約が望ましい施設の全てを主要3駅周辺に設定するのではなく、市の魅力を高めることができるように地域の特色を活かすことのできる施設を駅ごとに設定する。
 【高石駅周辺】▽文化・芸術等を学べる生涯学習交流施設=生涯学習における相互交流を目的とし、地域住民が利用できる多目的室・集会場機能を備える総合型多目的施設および図書館を都市再生特別措置法に規定する誘導施設とする。また、生涯学習における更なる交流を目的とし、健康増進施設の誘導を検討。浜寺水路沿いの区域は生涯学習交流区域(市独自の区域)とし、臨港地区が含まれていることを考慮し、施設の維持や未利用地の有効活用について検討する。
 【羽衣駅周辺】▽教育・子育て支援等の交流施設=乳児又は幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言、その他の援助を行う地域子育て支援拠点事業を実施する施設を特措法に規定する誘導施設とする。また、教育サービス機能の更なる提供を目的とし、学生の交流施設等の誘導を検討する。
 【富木駅周辺】▽大学と連携した世代間交流等を促す福祉交流施設=地域住民の相互交流を目的とし、都市活動を支えるコミュニティ施設(100㎡以上のコミュニティスペースを有すもの)に高齢者が医療・介護を受けることのできる施設を有する施設を特措法に規定する誘導施設とする。また、教育サービス機能の更なる提供や、近隣住民の更なる交流を目的とし、学生や地域住民の交流施設等についても誘導を検討する。

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佐渡金銀山周辺 景観の保存考える 新潟中央区で専門家会議 (2016/12/13) 新潟日報

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20161213296594.html

 佐渡金銀山の世界遺産登録に向け、佐渡市内の景観保存や整備について議論する同市の専門家会議が、新潟市中央区の県自治会館で開かれた。建築物を修復する事業や保存計画について意見が交わされた。

 会議は本年度2回目で、11月25日に行った。景観デザインや文化財保存の専門家ら約20人が出席し、報告事項などを除いて非公開で行われた。

 出席者によると、会議では、人々の生活に根差して形成されたとして国の「重要文化的景観」に選定されている佐渡市の相川地区市街地と西三川地区について、委員らが話し合った。

 昨年度の指定から1年が経過した相川地区については、保存計画の運用の見直しなどを議論。来訪者を受け入れるため、西三川地区で整備される予定の情報発信施設についても議題となった。

 会議後、座長の篠原修・東大名誉教授は「西三川地区は将来の世界遺産登録に向けて、ふさわしい景観をいかに残していくか。便利さだけでなく、歴史や風景、雰囲気を大切にする必要がある」と話した。

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2016/12/13

景観守り、防災強化 (2016/12/13) 毎日新聞

http://mainichi.jp/articles/20161213/ddm/010/040/076000c

 防災、快適、景観の観点から電柱を無くす方策を探る「『無電柱化の日』シンポジウム」(毎日新聞社主催)が無電柱化の日の11月10日、東京都内で開かれた。行政関係者、一般市民ら約400人が参加。国内で電柱が年間約7万本増えているという現状やその打開策についての専門家の話に耳を傾けた。概要を紹介する。

街の経済価値上がる 井熊氏/新規事業は地中化で 池上氏/未来へ意識改革必要 吉田氏/阪神で減災効果確認 高田氏

 中村秀明(毎日新聞論説委員、写真左端) 無電柱化について多角的な視点から考えたい。自己紹介を兼ねて高田さんから順に。

 高田昇氏 相談・アドバイスや勉強会を開催している。電柱が有る風景と無い風景を地域の人たちに無料でシミュレート比較して見せて実感してもらったり、無電柱化の際にトランス(変圧器)をどこに置くかを相談したりしている。電柱を抜かんといかんと思った動機は、京都や大阪の歴史ある街並みを保存して生かしたかったことや、阪神大震災の復旧に携わった時に電柱8000本余が倒れて救急車、消防車が通れないのを目撃したこと。

 吉田信解氏 埼玉県本庄市は中山道最大の宿場町として栄えた交通至便な街。市内での無電柱化は旧市街地のJR本庄駅北口駅前通りと新幹線本庄早稲田駅周辺などで完成している。昨年設立された「無電柱化を推進する市区町村長の会」の会員として、安倍晋三首相に無電柱化の早期実現などを要望した。

 池上三喜子氏 市民防災研究所で防災講演を主に担当している。約20年前に訪独した際に電柱の無い街並みを見て日本には(そのような街並みが)あるかなあ?と思ったが、今はある。無電柱化にはコストと日数がかかるが、近い将来「電柱」を死語にしたい。

 井熊均氏 日本総合研究所でエネルギーやスマートシティー(最先端技術で街全体の電力の有効利用を図る街)などインフラ関係を中心に担当している。日本に電柱が多いのは二つのポイントがある。欧州では19世紀に電力会社の大半が国営だったのに比べ、日本は街づくりとインフラ整備がうまくかみ合わなかったことと、戦後に電力需要が増大した時にコストの安い空中線を使ったことだ。実は日本でも1970年代に当時の建設省が「電線地中化」を言い出し、電力会社には研究会もできていたが、前進しなかった。

 中村 阪神大震災、東日本大震災や熊本地震の時も、電柱が倒れて救急車、消防車が通れなくなり、(人命救助で重要な)「72時間の壁」問題にも影響している。消火器が電柱の陰に隠れるという問題もあるが。

 池上氏 電線地中化など安心・安全の街づくりは普段の人と人のつながりがとても大事。祭りがあれば復旧・復興が早いと言われるのはそういう意味。

 中村 魅力ある街づくりとの関連では? 吉田さん。

 吉田氏 山車10基が出る本庄まつりは、県が無電柱化したJR本庄駅前通りで見ると壮観だ。市は隣の市道をバリアフリー化と共に無電柱化しようとしたが、電気設備を除く1キロ当たりの工費が3・5億円も掛かるので断念した。ほかにも、商店街では長い工期や地上機器の設置について地元とどう合意形成するか、経済効率優先で突っ走ってきて電柱のある風景に慣れてしまった国民の意識をいかに改革するか、などの問題がある。

 高田氏 地震国での電線地中化はどうか、という不安に関しては、阪神大震災の際の被災率を比べると、電柱は2・4%、地中化部分は0・03%だった。バリアフリーの観点からも、例えば私の家の前の生活道路は幅が5メートルあるのに、両側の電柱のために実質3・5メートルで、交通事故の原因になっている。この現実を多くの人に知ってほしい。

 井熊氏 無電柱化の経費を正確に計算し直すべきだ。無電柱化で街の経済価値が上がるからこそ、民間の新規開発地では電線が地中化されている。スマートシティーでも、地中化によるマンション価格上昇への影響は10%以下だ。事情の異なる地方では、国が日本の価値を上げるために政策資金を投入すべきだ。

 中村 コストを抑えた実例は?

 高田氏 技術大国をうたっている国が工夫をしな過ぎて情けないことになっていた。新潟県見附市では官民の協力で電線の埋設場所を浅くし、電力、通信のケーブル類を小型ボックスに同時収納している。欧州ではケーブルを管路に収めず直接埋めている所もある。

 吉田氏 金沢市は地中化できない場所で軒下配線方式を採用、神奈川県鎌倉市は変圧器を街路灯の上に設置した。茨城県つくば市は全国で初めて無電柱化を促進する条例を施行した。ただ、全体的には景観改善のインセンティブ(動機付け)が働いていない。権利関係の複雑な街中には手をつけたがらない。だからこそ法制化が必要。電柱が有ると汚い所が目立たないが、無いと目立つので、無電柱化は景観改善の第一歩だ。

 池上氏 国民に丁寧に説明し、まず大型分譲地などから無電柱化を進めればいい。地域防災計画にも「近い将来、地中化」と明文化すべきだ。

 井熊氏 金沢など各地の知恵を全国で蓄積共有することが大事。時間をかけて経済的利点を生み出していく事業手法を考え、コストを考えるべきだ。

 高田氏 今のご指摘は大事だ。オリンピック・パラリンピックを前にした今は時間をかけて投資を回収できるようになってきているのでチャンスだ。私たちが不動産、経済関係者と実証実験したら、無電柱化で街の経済価値は7%高くなった。電柱新設は認めず、既存の電柱を早く安く抜くという法律の制定で、時代は大きく変わる。地方は具体的にどの地域から着手するのかという計画をしっかり立てて実行していく。国は技術開発をし、地方を支援する、というように役割分担すればいい。
「美しい日本をアピール」

 シンポ前日に発足した超党派「無電柱化法案」早期成立促進議員連盟の共同代表、遠藤利明・衆院議員(自民)は「皆さんの力も得て、安心安全で美しい国日本を外国からのお客様にアピールできるようにしたい」と述べた。同連盟の宮内秀樹・衆院議員(自民)も駆け付けた。

 小宮山泰子・衆院議員(民進)は「無電柱化は多くの人が望んでいる。無電柱化で各地域が発展することを祈念したい」、河野義博・参院議員(公明)は「皆さんと心を一つにして無電柱化を進めたい」などとあいさつした。国会出席中の大野泰正・国土交通政務官も「国交省は、国民の理解を得ながら関係者と協力し低コスト手法の開発に取り組んでいく」とのあいさつ文を寄せた。

 武田芳明・毎日新聞社専務取締役は主催者あいさつで、「毎日新聞は2週間前に『知恵絞って進める時だ』という社説を載せた。日本で無電柱化が最も進んでいる東京23区でも7%だが、パリやロンドンは100%を達成している。今年は外国人観光客が約2400万人と見込まれるが、日本の美しい風景を楽しみに来た観光客が電柱、電線を見てがっかりしたとの話も聞く。阪神大震災、東日本大震災で次々電柱が倒壊して人命救助やインフラ整備が遅れた。この二つをとっても、無電柱化を絶対に推進すべきだ。このシンポジウムは無電柱化を推進する契機になるのでは」と述べた。
基調講演「公共財としての景観」 取り戻そう豊かな心

 景観とは、ただ眺めるだけのものではなく、絶えざる対話を通じて自己を確認するものだ。電柱の問題点三つのうち、安全性・快適性と道路の防災性能については分かりやすいが、景観については必ずしも国民の理解が進んでいないと聞く。日本文化の伝統は人間と自然を一体のものとしてとらえること。富士山は自然遺産ではなく文化遺産として世界遺産になった。地質学的には平凡だが、信仰の対象で、芸術の源泉になってきたからだ。日本人は、人工的につくるものも自然と調和させ、自然と一体になって美を追究してきた。平安時代の「作庭記」に、いい庭を作ろうとすれば自然に委ねるのがいいということが書かれている。例えば岩手県平泉町の世界遺産、毛越寺・浄土庭園などは自然との境界が分からない。

 一方、欧米では古来、人間は自然を超越すると考えられてきた。フランスのベルサイユ宮殿などは、自然界に存在しない直線と円でできている。

 日本に電柱が林立している訳は、西欧化に伴い政治経済中心の合理・効率主義がはびこった▽グローバル化▽IT革命でスピードに流されて倫理観などが薄れたことなどから、日本人が本来もっていた右脳=感情と、左脳=理性のバランスを失ったこと。2004年の文化財保護法一部改正で、西洋から入った「文化的景観」の概念が導入された。地域の生活、生業、風土で形成された景観地で、国民の生活や生業の理解に不可欠なものを指す。ここで「景観は公共財である」との認識が生まれた。同年にできた景観法は、良好な景観の形成は保全だけでなく創出を含む、としている。いずれも伝統的自然観の法的表現だ。無電柱化による景観向上の効果は三つある。美しい景観がもたらす地元の誇り、観光を通じた経済的な効果、環境面の効果だ。島根県の石見銀山、埼玉県川越市、福島県下郷町の大内宿などにその実例が見られる。無電柱化実現のためには、根拠法の制定だけでなく学校、家庭、職場での教育や市民運動も求められる。成果の評価付けで地域間競争を促してもよい。東日本大震災、原発事故以降、心の豊かさを大事にする人が増えているので、大きな社会運動に発展する可能性もある。

 日本人本来の自然観、感性を取り戻す「無電柱化タウン」こそ、将来にわたって「この豊かさはあの時にできた」という意味で、20年の東京オリンピック・パラリンピックのレガシー(遺産)になる。
無電柱化推進法が成立

 無電柱化推進法は12月9日成立した。電線の地中埋設を進める計画作成を国に義務付け、地方自治体を含めた取り組みを促す議員立法。

 ■ことば
無電柱化の日

 11月10日。三つの1は電柱で、0は「ゼロにする」との意。2014年に一般社団法人無電柱化民間プロジェクト実行委員会(代表理事=絹谷幸二・東京芸術大学名誉教授)が制定した。
主催

 毎日新聞社
後援

 国土交通省関東地方整備局、無電柱化を推進する市区町村長の会、NPO電線のない街づくり支援ネットワーク

 ■人物略歴
井熊均(いくま・ひとし)氏

 日本総合研究所常務執行役員。専門は産業政策、環境エネルギー、ベンチャービジネス論。早稲田大学大学院非常勤講師も務める。

 ■人物略歴
池上三喜子(いけがみ・みきこ)氏

 公益財団法人市民防災研究所理事・特別研究員。公益財団法人東京連合防火協会評議員、防災会議委員(東京都、港区、昭島市、国立市)、震災復興検討会議委員(東京都)なども務める。

 ■人物略歴
吉田信解(よしだ・しんげ)氏

 埼玉県本庄市長。本庄市議を経て、2005年本庄市長に37歳で初当選。現在3期目。無電柱化を推進する市区町村長の会幹事。

 ■人物略歴
高田昇(たかだ・すすむ)氏

 NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク理事長。都市計画家、立命館大学政策科学部客員教授、COM計画研究所代表。

 ■人物略歴
近藤誠一(こんどう・せいいち)氏

 1972年外務省入省。ユネスコ日本政府代表部特命全権大使、駐デンマーク特命全権大使など歴任。2013年7月まで文化庁長官。東京大学特任教授、東京芸術大学客員教授。

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2016/12/07

北上市景観賞に2件 (2016/12/07) 読売新聞

 北上市は5日、市内の「高橋邸の塀を含む敷地一帯」(下江釣子)と、「千田工業の事務所」(九年橋)を今年度の市景観賞に選んだと発表した。

 同賞は、地域の景観づくりに貢献していると考えられる建物などを表彰する制度で、今年度で4回目。ただし、完成から約5年以内という条件がある。今回は9件の応募があり、11月に市景観審議会(会長=北原啓司・弘前大教授)が審査した。

 高橋邸は、所有者の高橋孝治さん自身が手がけた温かみのある塀と手入れの行き届いた庭が、景観づくりへの努力を感じさせると評価された。建築会社の千田工業の事務所はオフィスビルだが、1階をガラス張りにしてオープンな造りにしており、落ち着いた配色とバランス良い植栽などが認められた。(写真あり)

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2016/12/06

福山・鞆港の景観「魅力的」 護岸整備へ県が調査結果まとめ (2016/12/05) 山陽新聞

http://www.sanyonews.jp/article/456746/1/

 広島県は、福山市鞆町での管理道路付き護岸の整備に向けて鞆港の景観などに関する調査結果をまとめた。整備区間には大正期以降の新しい建物が比較的多いものの、海や高台などから望む鞆港の景観について「魅力的なものが多い」としている。

 調査は、護岸を整備する鞆港西側の江之浦―焚場(たでば)地区の約300メートルが対象。海沿いの建物や海岸の利用状況、景観など6項目について目視とヒアリングによる実地調査と文献調査を5~9月に行い、報告書にまとめた。

 それによると、対象区間の町並みは江戸期から昭和初期にかけての埋め立てにより形成され、海岸は船のメンテナンスや修理を行う「焚場」や漁業、祭事の機能を担ってきたと指摘。歴史的な建物は江戸後期と明治期のものが計3棟あるほか、石積みやコンクリートを使った既存護岸はコンクリート部分で劣化が多く見られるとした。

 護岸整備は鞆港埋め立て・架橋計画撤回後の高潮対策の一環。県は今回の結果を踏まえ、2016年度中に護岸の形状やデザインを決める予定。県港湾漁港整備課は「工事の着手時期は未定」としている。

 県は15年12月、混雑が慢性化している江之浦―焚場地区の県道鞆松永線で車道の拡幅を進め、管理道路は歩行者や電動車いす(シニアカー)が利用できるようにするとの方針を地元側に示している。 (図あり)

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2016/12/05

浜松市 歴史的風致維持向上計画策定へ (2016/12/02) 建通新聞

http://www.kentsu.co.jp/webnews/html_top/161201100025.html

 浜松市は、天竜区鳥羽山・二俣城跡=写真=の国指定史跡登録申請に伴い、歴史まちづくり法に基づいた歴史的風致維持向上計画の策定を進める方針を示した。市議会11月定例会代表質問で答弁した。

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3駅周辺に都市機能を誘導 那須塩原市が計画案 (2016/12/05) 下野新聞

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20161205/2529459

【那須塩原】急速な人口減少と高齢化を見据えた集約型の都市構造への転換を目指し、市は4日までに、市内JR3駅周辺に商業や医療、福祉などの都市機能を誘導する「立地適正化計画」(2017~38年度)の素案を公表した。税制や金融、都市計画法上の支援措置のほか、市独自の施策展開も加えたさまざまなインセンティブ(動機付け)で施設立地を促していく。市の具体的な支援策は17年度中に検討する考えだ。

 同計画は、改正都市再生特別措置法に基づいた制度で、計画と支援措置が一体となっているのが特徴。市は15~17年度の3年間で策定作業を進めており、都市機能誘導区域の設定について素案で示した。

 誘導区域は、各駅から800メートル以内、徒歩10分の範囲に設定。新幹線が停車する県北地域の玄関口・那須塩原駅周辺地区は広域拠点と位置付け、西那須野、黒磯両駅周辺地区は地域拠点とした。

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江戸の原風景残す古民家 市の特定景観形成歴史的建造物に (2016/12/05) 東京新聞

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201612/CK2016120502000130.html

 横浜市は、市民に広く利用してもらいながら保全を目指す「特定景観形成歴史的建造物」に、同市鶴見区の馬場花木(かぼく)園に隣接する古民家「旧藤本家住宅の主屋と東屋」を指定した。

 市によると旧藤本家住宅は主屋(百四十九平方メートル)と東屋(二十三平方メートル)があり、ともに木造平屋。主屋は江戸末期~明治初期に現在の港北区に建てられ、一九一三(大正二)年に現在地に移築された。東屋の由来は不明。四二年ごろ、藤本家が買い取って住み、二〇一一年に市が馬場花木園を拡張するため、土地と建物を取得した。

 馬場花木園は竹林やサクラ、池がある日本庭園。市は、隣接する藤本家住宅が地域の原風景を残しているとして、一八年度までに住宅を公園の一部として整備し、一九年度に公開する。整備費は七億円程度。

 特定景観形成歴史的建造物は一三年度から創設した制度。今年二月の金沢区の古民家「旧円通寺客殿(旧木村家住宅主屋)」が指定第一号で、今回は二件目。

 建築基準法に従って保全しようとすると、建て替えや補修時に内部構造を大きく変更する必要があり、かやぶき屋根も残せないという。このため、市は建築基準法の適用除外とするため、「特定景観形成歴史的建造物」の制度を設け、古民家の保全を進めている。(写真あり)

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小田原の街づくり、城や宿場町の景観を活用 商議所が活性化案 (2016/12/03) 日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB02H4U_S6A201C1L82000/

 小田原箱根商工会議所はこのほど、小田原城周辺の街づくり案をまとめた。城下町・宿場町の景観を再現し、駅前ロータリーに和風建築を採り入れるなどして、歴史・文化を体感できる街を目指す。昨年の大涌谷の小規模噴火を機に観光都市としての課題を再検討する取り組みの一環で、今後は自治体などに協力を呼びかけ、案の実現につなげたい考えだ。

 小田原は県西部の中心都市で、箱根観光の拠点でもあるが、人口減が続いていることに加え、昨年の大涌谷の小規模噴火で経済的にも打撃を受けた。同商議所は噴火を機に小田原と箱根の観光の課題の洗い出しや、あるべき将来像などをまとめる活動に取り組んできた。

 街づくり案は商議所の会員を中心に商店街や自治会、NPO法人などから成るプロジェクトチームが作成。「平成の城下町・宿場町構想」として、小田原城を中心に周辺を5つのゾーンに分け、イメージをまとめた。

 「『小田原らしい』と感じることは十人十色で、一つ一つは他の地域にある場合もある。『小田原ならでは』を追求することが必要だ」と鈴木悌介会頭は強調する。

 小田原駅周辺は「イキイキと元気に暮らしたくなるゾーン」として、城下町をコンセプトに駅前のロータリーや店舗に和風のデザインを採り入れて統一した景観をつくることを提案。「江戸時代景観ゾーン」では城前横丁の新設、大手門や堀の復元を盛り込んだ。店舗や建物にはひさしを設けるなどデザインの規則を設けたいとしている。

 「小田原宿復活ゾーン」は小田原ちょうちんや小田原漆器の制作体験、かまぼこ通りの街並みの整備、「歴史・文化体感ゾーン」は清閑亭などの歴史的建造物が集まっていることを生かし、学びながら街歩きができる場所にしたいという。

 このほか、荻窪インターチェンジ(IC)を小田原城北ICに、お堀端通り入口交差点を小田原城通り入り口交差点に名称変更することなども提案している。

 鈴木会頭は「箱根の観光客が減れば、箱根の土産物店に卸している小田原の業者などにも影響が出る。箱根と小田原の経済圏は一体だと体感した」と話す。

 小田原の観光の課題を洗い出す過程では「箱根への観光客にどう立ち寄ってもらうか、という域を超えていなかった」という点が指摘された。小田原のシンボルとして城が挙げられるものの、「城がどこにあるのか知られていない」「駅から城までの導線が引かれておらず、城に向かうまでの期待感をつくるような演出がない」などの問題点も浮かび上がった。

 小田原城は今年5月の改修オープン後、2014年と比べて来場者数が85%増と好調だが「城の位置づけは甚だ寂しい」(同商議所)。

 構想実現に向け、地元商店街などと話し合いを進めている場所も一部あるが、小田原市との調整など本格的に動き出すのはこれから。住民の移転や費用の捻出など実現は簡単ではない。中心となって案をまとめた小田原青年会議所の杉崎尚人理事長は「まずは表示の名称変更や統一デザインの看板作成など、すぐに取りかかれそうなことから実現させていきたい」と話す。

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《茶況》 茶園の景観活用へ推進協 (2016/12/03) 中日新聞

 富士市大淵地区で富士山と茶園の景観を生かして地域振興を図る「景観活用推進協議会」が発足した。景勝地として知られる笹場地区の茶園の保全や観光ガイド役の養成など、体制づくりが進められている。

 県が昨年から3カ年計画で進める「美しい茶園でつながるプロジェクト推進事業」のモデル地区の一つ。地元の大淵まちづくり協議会が笹場地区でお茶まつりを開くなど観光、環境活動にすでに取り組んでいたことから、景観活用推進協議会が母体となり、7月から活動している。

 笹場地区には茶畑4ヘクタールが広がり、電線が入らない茶畑の撮影ポイントとなっている。駐車場は乗用車約10台分があるが、観光誘致を視野に、富士市が大型バス用の駐車場を整備している。(写真あり)

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