« 高山市景観計画の見直しで骨子案 (2017/01/10) 建通新聞 | トップページ | 町の景観 丸ごと改善 (2017/01/10) 日本経済新聞 »

2017/01/11

つくば市が無電柱化条例 全国初、景観と防災に (2017/01/09) 日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO11415850W7A100C1ML0000/

 茨城県つくば市が2016年9月、道路上で新たな電柱の設置を規制する条例を施行した。中心市街地とつくばエクスプレス(TX)各駅周辺の合計約380ヘクタールが対象。再開発に伴う景観の乱れを防ぐとともに、過去の竜巻災害を教訓に防災機能を高める。「研究学園都市」という国主導で整備された特殊な地域性が全国初の条例につながった。

中心市街地は国の公務員宿舎売却で再開発が進む

 「つくば市無電柱化条例」は、新たに戸建て住宅やマンションを建てる開発事業者に対し、地上に電柱を立てて架空線を配線しないよう義務付けている。違反した事業者には市長が勧告を出し、従わないと事業者名や住所を公表する。関連機器や電線の埋設などの費用は事業者負担で、住宅1戸当たり100万~150万円のコスト増になるとみられる。ただ既にある電柱を撤去する義務はない。

 対象区域はTXつくば駅付近の中心市街地と研究学園駅、万博記念公園駅、みどりの駅周辺。各区域とも05年のTX開業を機に、住宅や商業施設などの建設が相次ぎ、景色が一変した。

 条例の狙いについて、つくば市まちなみ整備課の小林遼平主任は「現在の景観を保ちたい」と話す。国主導で建設が進んだ筑波研究学園都市は、中心市街地で電柱のない街づくりに取り組んできた。これまでは地区計画で事業者に無電柱化を求めるだけで強制力はなかったものの、街並みが大きく乱れることはなかった。それがここにきて「中心市街地の再開発が本格化し、電柱が増える恐れがでてきた」(小林主任)。

 1970年代以降、多くの政府系研究機関が東京から移転してきた研究学園都市には約8000戸の国家公務員宿舎が建てられた。05年には公務員宿舎の売却が始まったが、市側の要請もむなしく、跡地開発に伴い電柱が立つ事例が出てきた。12年に国は財務省が管理する公務員宿舎の約7割を廃止する方針を打ち出し、14年に売却が本格化。つくば市は景観の乱れを懸念し、条例の検討に入った。

 条例制定を住民はおおむね歓迎している。地元の不動産会社、ホソダ興産の細田健社長は「無電柱化が住宅購入の動機にはなりにくいが、電柱を気にする必要がないため設計の自由度は増す」と住宅購入者側の利点を話す。12年に市北部で起きた竜巻災害の教訓もある。街中で多くの電柱が倒れ、救急車の通行を妨げるなど二次被害を招いた。地中化すれば電柱の倒壊はなく電線も切れにくい。

 東京都の小池百合子知事などが無電柱化の推進派として知られ、17年度の条例制定を検討しているが、最初から電柱のない街並みが整備された研究学園都市やTX沿線でほぼゼロからつくられた地区だからこそ、全国に先駆けて条例という手段をとりやすかったといえる。全国初の条例をどう街づくりにつなげるか。自治体の注目を集めている。(写真、図あり)

|

« 高山市景観計画の見直しで骨子案 (2017/01/10) 建通新聞 | トップページ | 町の景観 丸ごと改善 (2017/01/10) 日本経済新聞 »